2026.06.24

⁻『学生によくある朝食の欠食について(20分間・5人で)』
保健師学校の入試では、地域や学校、若者の生活習慣に関するテーマがグループ討論で出されることがあります。その中でも「学生によくある朝食の欠食について」は、身近でありながら、健康教育、生活習慣病予防、若年層への支援、プレコンセプションケアなど、保健師の役割と深く関わるテーマです。朝食を食べない学生は少なくありません。その理由は単純に「面倒だから」だけではなく、夜更かしによる睡眠不足、寝坊して時間がないこと、朝から食欲がわかないこと、授業・課題・アルバイトによるストレス、コンビニ飲料だけで済ませる習慣、一人暮らしで食材を用意できないことなど、さまざまです。
また、現代の学生には、スマートフォンや動画視聴、SNS、オンラインゲームなどによる夜型化、課題や試験勉強、アルバイトによる疲労、さらには「やせたい」という思いから朝食を抜くケースもあります。特に若い女性では、無理なダイエットや体型への不安が食事制限につながることもあり、将来の妊娠・出産を見据えたプレコンセプションケアの観点からも注意が必要です。朝食欠食は、その日一日の集中力や体力に影響するだけでなく、間食の増加、夜遅い食事、生活リズムの乱れ、肥満ややせ、月経不順など、長期的な健康課題にもつながる可能性があります。
このテーマで大切なのは、朝食を食べない学生を一方的に責めることではありません。なぜ朝食を食べられないのか、その背景にどのような生活環境や心理的負担があるのかを考えることです。保健師を目指す人は、個人の努力だけでなく、学校・家庭・地域・社会の支援のあり方まで視野に入れて話し合う必要があります。グループ討論では、「朝食は大事です」で終わらせず、学生の現実に合った改善策まで考えることが評価につながります。
| ●朝食欠食とは何か |
朝食欠食とは、朝起きてから昼食までの間に、食事らしい食事をとらない状態を指します。単に「白ごはんと味噌汁を食べない」ことだけではありません。缶コーヒーだけ、エナジードリンクだけ、菓子パンを一口だけ、ゼリー飲料だけで済ませる場合も、栄養バランスの面では朝食が十分とは言いにくいでしょう。学生の場合、朝食を抜くことは珍しいことではなく、本人も大きな問題だと感じていないことがあります。しかし、朝食は一日の活動を始めるためのエネルギー源であり、脳や身体を働かせるために重要です。
特に学生は、午前中から授業、実習、課題、部活動、アルバイトなどに取り組みます。朝食を抜いたまま登校すると、集中力が続かない、眠気が強い、イライラしやすい、体がだるい、授業中に頭が働かないといった状態になりやすくなります。保健師学校のグループ討論では、このような日常的な問題を、個人の生活習慣だけでなく、若者の健康課題として考えることが求められます。
また、朝食欠食は一日の食事全体のリズムを崩しやすい点にも注意が必要です。朝食を抜くと、昼食前に空腹が強くなり、甘い飲み物やお菓子を間食としてとることがあります。昼食や夕食で一気に食べすぎたり、夜遅い時間に食事量が増えたりすることもあります。その結果、生活リズムが夜型化し、翌朝また起きられず朝食を抜く、という悪循環に入りやすくなります。
このテーマは、単なる「朝ごはんを食べましょう」という啓発ではなく、生活全体を整える問題として捉えることが大切です。保健師は、地域住民や学生に対して、生活習慣の改善を支援する立場です。そのため、朝食欠食の背景にある睡眠、学業、経済状況、メンタルヘルス、体型への不安などを幅広く考え、現実的な支援策を考える視点が必要になります。
| ●学生が朝食を抜く理由 |
学生が朝食を抜く理由は一つではありません。挿絵にもあるように、代表的な理由として、①夜更かしで睡眠不足、②寝坊して時間がない、③バタバタして食べる暇がない、④コンビニで飲み物だけで済ませる、⑤冷蔵庫に食材がない・用意する時間がない、⑥授業・課題・アルバイトでストレスや食欲不振がある、などが挙げられます。これらは学生生活では非常によく見られる状況です。
まず、夜更かしは朝食欠食の大きな原因です。スマートフォン、動画視聴、SNS、ゲーム、課題、アルバイト後の自由時間などにより、就寝時間が遅くなる学生は多いです。睡眠時間が短くなると朝起きるのがつらくなり、朝食をとる時間がなくなります。次に、寝坊による時間不足もよくあります。起きた時点で登校時間が迫っていると、身支度だけで精一杯になり、朝食は後回しになります。
また、一人暮らしの学生では、冷蔵庫に食材がない、朝から調理するのが面倒、食費を節約したい、という理由もあります。コンビニでコーヒーやエナジードリンクだけを買って登校する学生もいるでしょう。本人は「何か口にしたから大丈夫」と思っていても、栄養面では十分ではありません。
さらに、無理なダイエットのために朝食を抜くケースも考えられます。特に若い世代では、SNSや広告の影響で「やせていることがよい」と思い込み、食事量を減らそうとする人がいます。しかし、朝食を抜くことが必ずしも健康的な体重管理につながるわけではありません。むしろ、間食や夜間の過食につながる場合もあります。若い女性の場合、過度な食事制限は月経不順や貧血、将来の妊娠・出産に関わる健康課題にもつながる可能性があるため、プレコンセプションケアの視点からも重要です。
このように、朝食欠食は本人の意志の弱さだけで説明できる問題ではありません。生活時間、学業負担、経済状況、食環境、体型への価値観、ストレスなどが複雑に関わっています。グループ討論では、学生を責めるのではなく、「なぜ食べられないのか」を多面的に考えることが大切です。
| ●朝食欠食がもたらす悪影響 |
朝食欠食の悪影響として、まず考えられるのは、午前中の勉強や活動のパフォーマンス低下です。朝食をとらないまま授業に出ると、集中力が続かない、眠気が強い、頭がぼんやりする、体がだるいなどの状態になりやすくなります。学生にとって授業や実習は重要な学びの場であり、午前中の集中力の低下は学習効率にも関わります。特に看護・保健・医療系を目指す学生にとっては、日々の学習習慣や体調管理が将来の専門職としての土台になります。
次に、朝食欠食は生活リズムの乱れにつながります。朝食を抜く背景には夜更かしや寝坊がある場合が多く、それが続くと夜型生活が固定化されます。夜遅くまで起きている、朝起きられない、朝食を抜く、昼や夜に食事が偏る、また夜更かしする、という悪循環が起こります。保健師の立場から考えると、朝食欠食は単なる食事の問題ではなく、睡眠、運動、メンタルヘルスを含む生活習慣全体の問題として捉える必要があります。
また、朝食を抜いた分、昼前や午後に空腹が強くなり、菓子パン、チョコレート、スナック菓子、甘い飲み物などを間食としてとることがあります。間食が習慣化すると、食事のリズムが乱れ、栄養の偏りや肥満につながる可能性があります。一方で、朝食を抜いて一日の摂取量を極端に減らそうとする場合には、やせや栄養不足、貧血、月経不順などが問題になることもあります。
さらに、プレコンセプションケアの観点からも、若い世代の朝食欠食は見過ごせません。プレコンセプションケアとは、将来の妊娠・出産を見据え、若い世代が自分の健康を整える取り組みです。妊娠をすぐに考えていない学生であっても、若い時期の栄養状態や生活習慣は将来の健康に影響します。朝食を抜く習慣が長く続くことで、自分の身体への関心が薄れ、健康管理を後回しにする姿勢が身についてしまうこともあります。保健師は、こうした若年層の生活習慣に早期から関わり、無理なく続けられる健康行動を支援する役割があります。
| ●予想される意見 |
グループ討論では、さまざまな意見が出ることが予想されます。まず、「朝食は食べた方がよい」という意見が出るでしょう。理由としては、授業への集中力を高める、体温を上げて身体を活動モードにする、生活リズムを整える、間食や夜食を防ぐなどが挙げられます。特に保健師学校の入試であれば、健康教育の観点から、学生に朝食の重要性を伝える必要があるという意見が出やすいです。
一方で、「朝食を食べろと言うだけでは解決しない」という意見も重要です。朝食を食べない学生には、時間がない、食欲がない、経済的に余裕がない、調理が苦手、一人暮らしで食材管理が難しい、夜遅くまでアルバイトがあるなど、それぞれの事情があります。そのため、単に「早起きしましょう」「朝ごはんを食べましょう」と言うだけでは、現実的な支援になりません。
改善策としては、「まずは簡単なものから始める」という意見が考えられます。たとえば、おにぎり、バナナ、ヨーグルト、ゆで卵、味噌汁、牛乳、野菜ジュース、前日の残り物など、調理の負担が少ないものを選ぶ方法です。朝から完璧な食事を目指す必要はありません。ゼロから一歩進めることが大切です。
また、学校や大学側の取り組みとして、学食で安価な朝食を提供する、朝食キャンペーンを行う、保健室や学生相談室で生活リズムの相談を受ける、といった意見も出るかもしれません。さらに、保健師としては、学生の生活実態を調査し、欠食の背景にある睡眠不足、ストレス、経済状況、ダイエット志向などを把握したうえで健康教育を行う必要があります。
討論では、「朝食欠食は悪い」と結論づけるだけでなく、「なぜ起こるのか」「どのようにすれば改善できるのか」「本人に無理なく続けられる方法は何か」を話し合うことが大切です。保健師を目指す立場としては、個人の自己責任にしすぎず、環境整備や支援体制にも目を向ける姿勢が評価されます。
| ●どうまとめるか |
グループ討論のまとめでは、「朝食欠食は学生本人の問題であると同時に、生活環境や社会背景とも関わる健康課題である」と整理するとよいでしょう。朝食を抜く理由には、夜更かし、寝坊、時間不足、食材不足、コンビニ飲料だけで済ませる習慣、ストレス、無理なダイエットなどがあります。そのため、改善策も一つではなく、本人の生活リズムの見直し、簡単な朝食の提案、学校での支援、健康教育、相談体制の充実など、複数の視点から考える必要があります。
まとめ方としては、まず「朝食欠食は、集中力低下や生活リズムの乱れ、間食の増加、将来の健康への影響につながる可能性がある」と問題点を確認します。次に、「しかし、食べない学生を責めるのではなく、背景にある生活習慣や環境を理解することが大切である」と述べます。そのうえで、「無理なく続けられる朝食習慣を提案し、学校や地域で支援することが必要である」とまとめると、保健師学校の討論らしい結論になります。
保健師の視点を入れるなら、「健康教育は一方的な指導ではなく、相手の生活に合わせた支援である」と強調するとよいでしょう。たとえば、朝食を食べていない学生に対して、いきなり理想的な和定食を勧めるのではなく、「まずはバナナ一本から」「前日の夜におにぎりを用意しておく」「コンビニでも選び方を工夫する」といった現実的な提案が必要です。
また、プレコンセプションケアとの関連もまとめに入れると深みが出ます。若い世代の食習慣や生活習慣は、現在の学業や体調だけでなく、将来の健康、妊娠・出産、次世代の健康にも関わります。保健師は、学生が自分の身体を大切にできるよう、早い段階から支援する役割があります。
最後は、「朝食を食べることは単なる食事の問題ではなく、自分の生活を整える第一歩である」と結ぶと、討論全体がまとまりやすくなります。5人で20分間の討論であれば、原因、影響、改善策、保健師の役割の順に話を進めると、整理された議論になります。
| ●評価のポイント |
このテーマで評価されるポイントは、まず、身近な問題を保健師の視点で捉えられるかどうかです。朝食欠食は誰にでも起こり得る生活習慣の問題ですが、保健師学校の入試では、単なる個人的な感想で終わらせてはいけません。学生の生活背景、健康への影響、学校や地域での支援、将来の健康づくりまで広げて考えることが大切です。
次に、原因を多面的に考えられるかが見られます。「怠けているから食べない」「自己管理ができていないから悪い」といった一面的な意見では、保健師としての視野が狭く見えてしまいます。夜更かし、寝坊、学業やアルバイトの忙しさ、一人暮らし、経済的事情、ストレス、ダイエット志向など、背景を幅広く考えることが必要です。
第三に、解決策が現実的かどうかも重要です。「必ず毎日栄養バランスのよい朝食を作るべき」と言っても、忙しい学生には続かないかもしれません。保健師は、相手の生活に合わせて実行可能な提案をする専門職です。そのため、「まずは簡単なものから」「コンビニでも選び方を工夫する」「学校で安価な朝食を提供する」「生活リズムを整える支援を行う」など、実際に取り組める方法を出すと評価されやすくなります。
また、グループ討論としては、話し方や姿勢も見られます。他の人の意見を否定せず、「その意見に加えて」「別の視点として」とつなげられるか、話が広がりすぎたときに整理できるかが大切です。5人で20分間という時間では、一人で長く話しすぎるよりも、原因・影響・対策・まとめを分担しながら進める方がよいでしょう。
最後に、保健師としての役割を入れられるかが重要です。朝食欠食を通して、学生の健康教育、生活習慣改善、プレコンセプションケア、メンタルヘルス、学校保健との連携などに触れられると、保健師学校の入試にふさわしい討論になります。身近なテーマだからこそ、専門職としての視点を持てるかが差になります。
| ●まとめ |
学生によくある朝食の欠食は、単なる食事の問題ではなく、生活習慣、学業、睡眠、ストレス、経済状況、体型への意識などが関わる健康課題です。夜更かしで睡眠不足になる、寝坊して時間がない、朝は食欲がない、コンビニの飲み物だけで済ませる、冷蔵庫に食材がない、授業や課題、アルバイトで疲れているなど、理由はさまざまです。無理なダイエットのために朝食を抜く場合もあり、若い世代の健康支援として見過ごせません。
朝食欠食が続くと、午前中の集中力低下、学習や活動のパフォーマンス不足、夜型化、間食の習慣化、肥満や栄養不足などにつながる可能性があります。また、若い時期の食生活や体調管理は、将来の健康や妊娠・出産にも関わるため、プレコンセプションケアの観点からも重要です。
グループ討論では、「朝食を食べるべき」と言うだけでなく、学生がなぜ食べられないのかを考え、現実的な支援策を話し合うことが大切です。保健師としては、本人を責めるのではなく、生活背景を理解し、無理なく続けられる方法を一緒に考える姿勢が求められます。
朝食は、一日を始めるための小さな健康行動です。しかし、その小さな習慣が、学業、体調、心の安定、将来の健康につながります。保健師を目指す受験生は、この身近なテーマから、若者の生活習慣支援や健康教育のあり方を考えられるようにしておきましょう。
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