2025.06.17
⁻『SDGsについて(400字・時間30分)』
「SDGsについてあなたの考えを書きなさい」というお題は、近年、看護・医療系の小論文でも目立つようになりました。とはいえ、SDGsという言葉は知っていても、内容までは詳しく答えられないという受験生が多いのが実情です。
この記事では、SDGsとは何か、なぜ看護系の入試で問われるのか、どうやって医療や看護と結びつけて書くのかをわかりやすく解説し、書き方のヒントをお届けします。
●あらためてSDGsとは |
SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略で、2015年に国連サミットで採択されました。2030年までに達成すべき17の国際的な目標が掲げられており、貧困の撲滅、教育の普及、ジェンダー平等、気候変動への対応など、地球全体の持続可能な未来を実現するための指針となっています。(※1)
しかし、実際には「言葉は知っているけど、内容まではよくわからない」という声も多くあります。目標が17もあるうえ、どれも壮大で抽象的に感じられるため、身近に感じにくいというのが正直なところかもしれません。
●なぜ出題されるのか |
受験でSDGsが問われるのは、「多様な社会課題に目を向ける力」を試すためです。SDGsは単なる環境問題だけでなく、教育格差や健康格差、ジェンダーの不平等、食料問題、経済的な格差といった人間の生き方に直結する課題も含んでいます。
また、看護師や保健師といった医療職は、これらの課題と日常的に向き合う仕事です。例えば、在宅介護を受ける高齢者への支援や、虐待を受けている子どもの早期発見、経済的困窮による受診控えへの対応など、SDGsの視点なしには語れない現場が数多くあります。
●出題者の意図 |
出題者が見ているのは、「用語の暗記」ではありません。SDGsという言葉や定義を知っているかどうかよりも、それを自分ごととしてどうとらえ、医療現場とどのようにつなげて考えられるか、という応用力が見られています。
例えば「目標3:すべての人に健康と福祉を」や、「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」などは看護と関わりの深い項目です。こうした視点から、「現場でどう取り組んでいけるか」「どんな支援が求められるか」を述べると、深みのある答案になります。
●医療とどう関連づけて答えるか |
医療とSDGsを結びつける例としては、以下のようなものがあります:
SDGsを自分の志望動機と結びつけて語るのも効果的です。「私は将来、地域の健康格差の解消に取り組みたい」といったビジョンがSDGsとつながるよう意識してみましょう。
●書きづらい場合は |
SDGsに詳しくない、という受験生もいると思います。その場合は「目標3:すべての人に健康と福祉を」だけに絞って具体例を挙げたり、自分が体験したボランティア活動や学校の保健委員活動と結びつけるのがおすすめです。
「国民は毎日の暮らしに精いっぱいで、SDGsどころではない」という現実的な視点も大切です。だからこそ、医療職として社会全体を見渡す視点を持ちたい、という志を込めれば、説得力のある文章になります。
●まとめ |
SDGsは国際的な課題ですが、医療・福祉の現場と密接に結びついています。すべての目標を暗記する必要はありませんが、「自分はどの目標に関心があるか」「将来どんな立場で貢献したいか」を考えておくことが重要です。
抽象的な言葉に惑わされず、自分の言葉で、自分の経験や志と重ねて書くことで、読み手の心に届く小論文になります。SDGsという言葉が「難しいもの」「関係のないもの」に思えるかもしれませんが、日々の暮らしの中にそのヒントはたくさんあります。
(※1)外務省 JAPAN SDGs Action Platform
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