2026.02.14

⁻『愛とはどういうものか。(400字以上・時間60分)』
看護大学・看護学校の入試で、「愛とはどういうものか」というお題が出されることがあります。一見すると哲学的で難しく感じるテーマですが、実は看護という仕事の本質に深く関わる問いでもあります。なぜなら、看護とは「人に寄り添い、人のいのちや生活を支える仕事」だからです。その土台には、思いやりや尊重といった“愛”に通じる姿勢が欠かせません。
ただし、小論文で求められているのは、感情的な「好き」「大切」という言葉の羅列ではありません。愛をどのようにとらえ、自分の言葉で定義し、それを看護の姿勢や人との関わりと結びつけて説明できるかが問われています。400字以上・時間60分という条件は、「じっくり考え、深めて書いてほしい」というメッセージでもあります。
この記事では、「愛とは何か」という基本的な考え方から、看護師にとっての愛、思いやりとの違い、自己を捨てた他者への愛とは何か、さらに小論文での書き方まで、丁寧に整理していきます。抽象的なお題だからこそ、落ち着いて構造的に考えることが合格への近道になります。
| ●愛とは |
「愛」とは何でしょうか。多くの人はまず、家族愛や恋愛を思い浮かべるかもしれません。しかし、小論文で扱う愛は、もっと広い意味でとらえる必要があります。
愛とは、相手の存在を大切に思い、その人の幸せや安心を願う気持ちであり、さらにそのために行動しようとする姿勢だといえるでしょう。ただ感情として「好き」というだけでなく、「相手の立場に立ち、支えようとする態度」まで含めて愛と考えると、看護とのつながりが見えてきます。
また、愛は見返りを求めないものであるとも言われます。自分の利益や評価のためではなく、相手のために何ができるかを考えること。それが愛の一つの形です。ただし、ここで注意したいのは、「自分を完全に犠牲にすること」が愛ではないということです。自分の心身が壊れてしまっては、他者を支えることはできません。健全な自己を保ちながら、相手を思う姿勢こそが持続可能な愛といえるでしょう。
| ●看護師にとっての愛と「思いやり」 |
看護師として大切な資質は何かと問われたとき、多くの人が「思いやり」と答えます。では、思いやりと愛は同じでしょうか。
思いやりとは、相手の立場や気持ちを想像し、その人が安心できるように配慮する心です。例えば、痛みで不安そうな患者さんに優しく声をかけること、話をゆっくり聞くこと、プライバシーに配慮すること。こうした一つひとつの行動の背景には、相手を大切に思う気持ちがあります。
愛は、思いやりを支えるより大きな土台ともいえます。患者さんを一人の人間として尊重し、その人の人生や価値観を認める姿勢。それがあってこそ、形だけではない看護が実現します。
看護の現場では、忙しさや緊張感の中で、作業が優先されてしまう場面もあります。しかし、目の前の人を「病気」ではなく「一人の人間」として見ること。それこそが、愛に根ざした看護の姿です。
| ●自己を捨てた他者への愛とは何か |
「自己を捨てた他者への愛」という言葉を聞くと、自己犠牲を思い浮かべる人もいるでしょう。しかし、看護において大切なのは「自己を消すこと」ではなく、「自分中心の考え方を一度脇に置くこと」です。例えば、自分が疲れているときでも、患者さんの不安に気づき、声をかける。自分の価値観を押しつけず、相手の意思決定を尊重する。そのように、自分の都合よりも相手の尊厳を優先する姿勢が、他者への愛の一つの形です。
ただし、看護師は人間です。限界を超えてまで無理をすることは、結果的に安全な看護を損なう可能性があります。だからこそ、愛とは「自分を大切にしながら他者を思うこと」であるとまとめると、現実的で成熟した考えになります。
| ●出題者の意図 |
このお題で出題者が見たいのは、単なる感情論ではありません。
①抽象的なテーマを自分の言葉で整理できる力
②看護と結びつけて考えられる視点
③人間観(人をどうとらえているか)
④思考の深さとバランス感覚
愛を「優しさ」とだけ書くのではなく、「尊重」「行動」「責任」「自己管理」といった視点まで広げられるかどうかがポイントです。また、「看護師を目指す立場として、愛をどう実践したいか」を結びに入れると、志望動機とも自然につながります。
| ●どう書くか |
構成例を紹介します。
①愛の定義を述べる(自分なりの考え)
②具体例を入れる(家族・友人・ボランティア経験など)
③看護との関連を書く
④自分の将来像でまとめる
例:
「愛とは、相手の幸せを願い、そのために行動しようとする気持ちだと私は考える。私は部活動で後輩が失敗したときに責めるのではなく、一緒に練習した経験がある。それは、相手の成長を願う気持ちからだった。看護師もまた、患者の苦しみに寄り添い、その人らしい生活を支える存在である。私は、相手を尊重しながら支えられる看護師になりたい。」
このように、抽象→具体→看護→将来、という流れで書くと、読みやすい文章になります。
| ●まとめ |
「愛とはどういうものか」という問いは、看護の根本にあるテーマです。愛とは、相手を大切に思い、尊重し、その人の幸せを願い行動する姿勢です。看護師にとっては、それが思いやりとなり、患者さんへの丁寧な関わりへとつながります。
自己を捨てることではなく、自分を整えながら他者を支えること。それが、現実的で持続可能な愛の形です。
小論文では、抽象的な言葉を自分の体験や将来像と結びつけて具体化することが大切です。あなた自身の言葉で、あなたなりの「愛」を丁寧に表現してください。それが、きっと面接官や採点者の心にも伝わるはずです。
看護予備校、准看護予備校を選ぶなら京都・大阪・滋賀・兵庫から通いやすいアルファゼミナール