2025.09.29
⁻『個性と協調性(800字・時間50分)』
看護学校や看護大学の入試では、人柄や価値観を問う小論文・作文のお題がよく出題されます。そのひとつが「個性と協調性」というテーマです。いずれも社会生活や医療現場で欠かせない要素ですが、両者のバランスをどのように考え、文章としてまとめるかが合否を分けるポイントになります。
個性とは一人ひとりの持つ独自の性格や強み、価値観であり、協調性とは他者と歩調を合わせ、相手を尊重しながら協力していく姿勢です。たとえば、勉強やスポーツで自分の個性を発揮することは大切ですが、それだけではチームワークが成り立たず、孤立してしまうこともあります。一方で、協調性ばかりを重視すると自分の意見を言えず、流されてしまう危険もあります。
医療現場では患者さんにとって最善の医療を提供するために多職種が連携して動きます。そのため、看護師や助産師、保健師を目指す受験生にとっては、協調性を重んじながらも個性を活かし、チームの一員として主体的に貢献できるかが問われます。小論文で書く際は「私はこのような個性を持ち、それをチームの中でどう発揮できるか」という形で具体例を示すと説得力が増します。
●個性と協調性の意味 |
個性とは、自分だけが持っている考え方や行動のスタイルを指します。たとえば「几帳面で計画的」「人を笑顔にできる明るさ」「観察力に優れている」などが個性の例です。一方、協調性はチームや社会の中で衝突を避けつつ他者の意見を受け入れ、協力して目標を達成する力です。
医療者に求められるのは、単なる「言われたことをする」協調ではなく、自らの個性を持ちつつも全体を調和させる高いレベルの協調性です。看護の場面では、一人の看護師の判断が患者の命に関わることもあり、強い責任感と同時にチームとの協力が不可欠になります。
●出題者の意図 |
このテーマを出題する背景には、受験生が「自己中心的ではないか」「集団に馴染めるか」「医療職にふさわしい協調性を持っているか」を確認する狙いがあります。
医療現場では一人の力で患者を支えることは不可能であり、医師・看護師・リハビリスタッフ・薬剤師など多くの職種が連携します。その中で個性をどう活かし、協調性をもって働けるかが重要です。さらに、社会全体が多様性を重視する今、画一的な人材ではなく、特色ある個性を協調の中で発揮できる人材が求められているのです。
●どう書くか |
作文の書き方としては、まず「個性とは」「協調性とは」と定義から書き起こすとわかりやすいです。その後、自分の体験を交えて具体例を挙げると説得力が増します。
たとえば「私は高校の部活動で、自分の得意な分析力を活かして作戦を立てる役割を担った。その一方で、仲間の意見を尊重し、全員が納得する形で取り入れるよう心がけた」というエピソードは、個性と協調性の両立を示すよい例になります。
また、看護師を目指す視点から「患者さんに寄り添うためには、持ち前の明るさや気配りといった個性を発揮しながら、医療チーム全体と協力して最善のケアを提供したい」と結ぶと、受験にふさわしい文章になります。
●まとめ |
「個性と協調性」は対立する概念ではなく、互いを補い合う関係にあります。医療現場では個性を活かすことが患者さんの安心につながり、協調性を大切にすることで安全で質の高い医療を提供できます。
小論文で問われたときは「個性と協調性の両立」を意識し、具体例を交えて自分の姿勢を述べることが重要です。最終的には「看護学生として学ぶ中で、自分の個性を活かしつつ協調性を発揮できる人材になりたい」と結ぶと好印象を与えることができます。
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