2025.07.12
⁻『社会人として責任ある行動をとるのに心掛けていること(800字・時間50分)』
社会人として責任ある行動をとることは、医療・保健の現場に限らず、どの業種においても重要な基盤です。特に保健師という職業は地域住民の健康を守るという使命感が求められ、多くの人々と信頼関係を築きながら業務を遂行しなければなりません。そのため、学生時代の行動規範とは異なる「社会人としての心得」を理解し、日々実践する必要があります。たとえば、時間厳守は基本中の基本です。会議や訪問予定に遅れることは、相手の貴重な時間を奪うだけでなく、信頼を損なう原因にもなります。また、チームでの活動が多い医療現場では、個人プレーではなく周囲との協調が不可欠です。「報・連・相」(報告・連絡・相談)を徹底し、問題が生じた際は早期に上司や同僚と共有して迅速な対応を心掛けることも求められます。
このように、社会人としての行動規範を身に付けることは、責任感ある専門職になるための大切な一歩と言えるでしょう。
●社会人とは |
社会人とは、単に働く人を指すのではなく、組織の一員として役割を果たし、自己管理や責任を持って行動できる人を意味します。学生時代は、自分のために学ぶことが中心でしたが、社会人は組織や顧客のために動き、貢献する姿勢が必要です。
医療現場では、一人ひとりが重要な役割を持ち、遅刻や欠勤といった小さな緩みがチーム全体の機能低下に直結します。また、患者や住民の安全を守るため、日々の行動や判断に細心の注意を払わなければなりません。さらに、社会人としての「セルフマネジメント力」も不可欠です。健康管理やメンタルケアを怠ると、結果的に自分が患者になり、業務に支障をきたす恐れもあります。社会人は、信頼を得るために常に誠実であり、他者の視点を持って行動できる人であることが求められるのです。
●責任ある行動とは何か |
責任ある行動とは、自分の役割を自覚し、状況に応じて最善の判断を下し、結果に対しても誠実に向き合う姿勢です。特に医療や保健の分野では、わずかな判断の遅れや伝達ミスが人命に関わる重大な結果を招くことがあります。そのため、保健師としての行動は常に「住民のため」という視点が中心になります。例えば、高齢者世帯への訪問で予定変更が生じた場合も、連絡一本を怠らず、相手の不安を軽減させる配慮が必要です。
また、社会人としての責任感は、時間やコストの意識にも表れます。無駄な業務の繰り返しを防ぎ、効率よく行動することは、限られた人材や予算で支える地域医療において特に重要です。
●出題者の意図 |
このお題は、社会人経験の有無に関わらず、応募者が社会人としての基本的なマナーや責任感を持ち合わせているかを見極める意図があります。保健師学校は、卒業後すぐに地域保健の現場で活躍できる人材を育てるため、学生にも一定の社会性を求めます。そのため、面接や小論文で「社会人としての行動規範」を問うのです。また、看護や保健分野はチームで動くため、協調性や柔軟性があるかも判断基準となります。単に「私は時間を守ります」といった抽象的な回答ではなく、具体的な経験談やエピソードを交えて答えることで、説得力のある内容に仕上がります。
●どう書くか |
このテーマでは、単なる理想論ではなく「自分はどのように責任ある行動を実践してきたか」を具体例とともに記すことがポイントです。たとえば、職場での小さなミスを防ぐためにチェックリストを作成した経験や、同僚と意見が対立した際に冷静に話し合い、解決に導いたエピソードなどを盛り込むと良いでしょう。これにより、応募者の「実行力」や「課題解決能力」を伝えられます。加えて、保健師として地域で活動する姿を想像し、「どのように住民の信頼を得るか」を意識した表現ができると理想的です。
●まとめ |
社会人としての責任ある行動は、日常の些細な場面から積み重ねられるものです。保健師は地域の健康を守るという重大な役割を担うため、専門知識だけでなく、高い倫理観や責任感が求められます。時間を守る、報・連・相を徹底する、チームと協力するなど、一つひとつの基本を確実に実践することが、信頼される専門職への道です。
小論文では「社会人としてどのように成長したいか」まで視野に入れた締めくくりを書くと、より印象深い文章になります。
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