2025.06.25
⁻『失敗(800字・時間60分)』
人は誰でも、何かしらの「失敗」を経験しながら成長していきます。しかし、医療の現場では「失敗は許されない」とも言われ、非常に重いテーマとして語られることがあります。だからこそ、看護学校や看護大学の入試では、「失敗」をどのように受け止め、乗り越えようとする姿勢が問われます。このテーマは、単なる反省文ではなく、「失敗をどう捉えるか」「どう成長につなげるか」という視点が求められます。
本記事では、失敗の意味、学びへの変換、医療現場での影響、自分の経験を活かした書き方など、小論文でのポイントを丁寧に解説します。
●失敗することとは |
失敗とは、自分の思ったように物事が進まず、結果として反省や後悔を伴う経験のことを指します。たとえば、勉強不足でテストの点数が取れなかったり、人間関係で配慮を欠いてトラブルになったりと、誰しも一度は失敗を経験しているはずです。大切なのは、「失敗しないこと」ではなく、「失敗をどう受け止めるか」です。
失敗を自分の成長材料として捉えられる人は、次に同じことを繰り返さないように工夫し、前向きに進むことができます。
失敗は、成長の入口なのです。
●失敗から学ぶこと |
失敗には、成功からは得られない学びがあります。うまくいった時には気づけなかった自分の課題や、人との関係性、準備の重要性など、多くのことに目が向くようになります。たとえば、実習で説明がうまく伝わらず患者さんを不安にさせてしまった経験は、言葉選びや表情、声のトーンの重要性を実感させてくれます。また、失敗の悔しさを経験することで、「次は絶対にうまくやりたい」という強い意志が芽生え、自分を律する力にもつながります。
失敗から逃げず、そこから何を得たかを考える姿勢が、将来の医療人には求められます。
●医療と失敗 |
医療の世界では「失敗=命に関わる」という認識が強く、失敗が許されにくい厳しさがあります。だからこそ、医療職は常に「失敗しないための努力」を続けなければなりません。しかし現実には、ヒューマンエラーを完全にゼロにすることは困難です。そのためには、失敗を責め合うのではなく、「なぜ起きたのか」を共有し、再発を防ぐための仕組みづくりが必要です。
看護の現場でも、インシデントレポートやカンファレンスでの振り返りなど、失敗を共有する文化が育っています。
「失敗を活かす文化」の中で働くことが、安全で信頼される医療へとつながるのです。
●出題者の意図 |
このテーマで出題者が見ているのは、「あなたは失敗から逃げない人ですか?」「失敗を成長につなげようとする人ですか?」という姿勢です。看護職は日々さまざまな判断を求められ、必ずしもすべてが正解とは限りません。だからこそ、失敗にどう向き合い、仲間とどう共有し、次にどう活かすかが問われます。
単に「反省した」で終わるのではなく、「その経験を通じて何を学び、どう成長したか」がしっかりと伝わると、読み手に強い印象を残すことができます。
●どう書くか |
「失敗」のテーマは書きにくく感じるかもしれませんが、自分の経験を正直に振り返ることが大切です。
構成としては、
①失敗の一般的な意味
②自分が経験した具体的な失敗
③そのときの感情
④どう改善したか
⑤今後にどう活かすか
という流れが自然で書きやすいでしょう。
また、医療職として「失敗から逃げない」「失敗を次に活かす意識がある」といった姿勢をはっきり示すと、将来性を感じさせる文章になります。
失敗を恥ずかしいことではなく、成長の証として書くことがポイントです。
●まとめ |
失敗は誰にでもあるものであり、大切なのは「どう立ち直り、どう学ぶか」です。特に看護職のように人の命や心に向き合う仕事では、自分の経験を振り返り、改善を積み重ねる姿勢が不可欠です。失敗を責めるのではなく、認め、共有し、成長につなげる文化の中で働くことが、質の高い医療と信頼関係を築くための鍵となります。小論文では、失敗の経験を正直に語りながらも、それを通じて得た学びや未来への決意を丁寧に表現していくことが求められます。
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