2025.06.24
⁻『習慣(800字・時間60分)』
「習慣」というテーマは、誰にとっても身近でありながら、自分自身のあり方や人生の積み重ねを見つめ直すきっかけにもなる重要なキーワードです。とくに看護の現場では、患者さんの生活習慣の理解や、医療職としての行動習慣が、ケアの質や信頼関係に大きく影響します。看護学校や看護大学の小論文でこのテーマが出されたとき、出題者は単に「自分の習慣について」書かせたいのではなく、「習慣がもたらす影響」や「習慣を通してどのような看護師になりたいか」といった深い部分まで考えているかを見ています。
この記事では、良い習慣・悪い習慣、医療職との関係、自分の体験をどのように文章化するかまで、丁寧に解説します。
●習慣とは |
習慣とは、日々の生活の中で繰り返し行われる行動や思考のパターンのことを指します。意識していることもあれば、無意識のうちに身についていることもあり、知らず知らずのうちに自分の行動や性格に影響を与えています。たとえば「早寝早起き」や「毎朝の日記」などは意識的な習慣の代表です。一方で、姿勢のくせや言葉遣いのように、自分では気づきにくい無意識の習慣もあります。
こうした習慣は一朝一夕には身につかず、積み重ねによって人の価値観や行動基準を形作っていきます。
●良い習慣・悪い習慣 |
習慣には良い面もあれば、悪い面もあります。良い習慣の例としては、毎日少しでも読書をする、前向きな言葉を使う、こまめに感謝を伝えるなどがあります。これらは自己成長や人間関係を豊かにし、長い目で見て人生を支える力になります。
一方、悪い習慣には、遅刻癖、後回しにする癖、暴飲暴食やスマートフォンの使い過ぎなどがあります。悪い習慣は一度身についてしまうと改善が難しく、自分に対してだけでなく、周囲にも悪影響を及ぼす可能性があります。だからこそ、日々の習慣を客観的に見つめ直すことが大切です。
●医療と習慣 |
医療職にとって習慣は非常に重要な要素です。看護師の仕事は、時間管理・感染予防・正確な記録・患者との信頼関係の構築など、多くの業務を正確に、かつ丁寧に行う必要があります。それを支えているのが日々の習慣です。
たとえば、手洗いを徹底する、忙しくても必ず患者に目を合わせてあいさつする、記録をため込まないなどの良い職業習慣は、信頼される看護師の共通点でもあります。
また、患者の生活習慣に目を向け、健康を支援するためにも、習慣の視点を持つことは欠かせません。
●出題者の意図 |
「習慣」というテーマを通して、出題者が見ているのは、受験生がどれだけ自分自身を客観視できているか、そしてその習慣が今後の成長につながるという視点を持っているかどうかです。看護の仕事は日々の積み重ねの連続であり、習慣がその人の信頼性をつくるとも言えます。
そのため、普段の小さな行動をどうとらえ、改善しようとしているか、また、看護職としてどのような習慣を大切にしたいと思っているかが伝わると、小論文としての説得力がぐっと高まります。
●どう書くか |
小論文でこのテーマを書く際は、まず「習慣とは何か」を自分なりの言葉で説明し、その後に良い習慣・悪い習慣についての考察を述べましょう。次に、自分自身の具体的な習慣に関するエピソードを入れることで、文章にリアリティと説得力が生まれます。その上で、看護師という職業においてどのような習慣が大切か、自分はそれをどう実践したいかを述べると、将来像が明確になります。
構成としては「定義→対比→体験→応用→展望」と流すと書きやすくなります。
●まとめ |
習慣は一見地味な存在ですが、人の信頼や健康、そして仕事の成果を左右する大きな力を持っています。特に看護職を目指す人にとっては、「毎日の積み重ねが患者を守る」という意識を持つことが何より大切です。小論文では、自分の習慣を見つめ直し、改善や継続への意欲を示すことで、人としての成長と職業人としての責任感の両面を表現できます。
派手なエピソードがなくても構いません。小さなことを丁寧に続けている姿勢が、読み手の心を動かす文章につながるでしょう。
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