2025.06.13
⁻『人と触れ合うのは好きですか?』
入試面接では、志望動機や将来のビジョンに加えて、性格や人柄、対人スキルについてもよく問われます。「人と触れ合うのは好きですか?」という質問は、一見すると簡単な問いのようで、実は医療職としての適性を探る重要な質問のひとつです。
今回はこの質問の背景や、どう答えるべきか、そしてふれあいの意味を深めていきましょう。
●ふれあいとは |
「ふれあい」とは単なる会話や接触を指す言葉ではありません。
心と心の通い合い、つまり相手の気持ちに寄り添う姿勢そのものです。言葉だけでなく、目線や声のトーン、ちょっとしたしぐさ、表情など、非言語的な要素もふくめた温かな関わりが「ふれあい」には詰まっています。看護職におけるふれあいは、患者との信頼関係を築く基盤であり、ケアの質に直結します。
●医療職とふれあい |
看護師は日々、患者やその家族、多職種のスタッフなど、多くの人とふれあいながら働きます。
病室での声かけ、処置中の気遣い、退院時の笑顔、訪問看護での生活支援――いずれの場面もふれあいの積み重ねです。
また、小児科では子どもと信頼関係を築くために目線を合わせたり、精神科では言葉よりも沈黙と表情で気持ちを伝え合うこともあります。
このように、「ふれあい」は患者一人ひとりに合わせたコミュニケーションであり、看護の本質といえるかもしれません。
●面接官は何を見ているか |
面接官がこの質問を通して見ているのは、「人と関わることに価値を見出せるか」「医療職として他者と向き合う覚悟があるか」という点です。特に、少し内向的に見える受験生や、緊張して受け答えが控えめな学生に対しては、「本当に看護師としてやっていけるか」を見極めようとしています。
表面的に「好きです」と答えるだけでなく、その奥にある思いやエピソードを添えることで、自分の強みを伝えることができます。
●医療とどう関連づけて答えるか |
この質問に答える際には、自分の経験を医療職の現場と結びつけて話すことが大切です。
たとえば、「介護施設でのアルバイトを通じて、高齢者とじっくり話すことの大切さを学んだ」「学校でのボランティアで、小さな子どもとの信頼関係を築く喜びを知った」といった具体的なエピソードがあれば説得力が増します。
また、訪問看護では、一人の患者と長期間関わり続けるため、より深いふれあいが求められます。そういった職種への関心を示すのも好印象につながります。
●まとめ |
「人と触れ合うのは好きですか?」という質問は、受験生の人柄や看護職への適性を確認するための重要な問いです。
自分の体験や価値観を振り返りながら、ふれあいに対してどのような思いを持っているか、そしてその姿勢がどう看護に活かされるかを、自分の言葉で表現しましょう。
医療とは、技術や知識だけでなく、人とのあたたかな関わりによって支えられる仕事です。その関わりを大切にし、信頼を築いていける人こそが、真に求められる医療者であるといえるでしょう。
看護予備校、准看護予備校を選ぶなら京都・大阪・滋賀・兵庫から通いやすいアルファゼミナール