2025.06.12
⁻『2020年東京オリンピックについてあなたの考えを書きなさい。(出題:2019年)』
大きなイベントが控えている年には、その話題が小論文や作文のテーマになることがよくあります。2019年に出題されたこのお題もその一例。受験生自身が関心を持ち、自分の視点で考える力を見られる典型的な出題です。
今回は「東京オリンピック」を入り口に、何をどう書けばよいのか、そして医療職志望としてどのように意見をまとめるかを一緒に考えてみましょう。
●なぜ「オリンピック」がテーマに? |
2020年の東京オリンピックは、日本にとって実に56年ぶりの開催でした。スポーツの祭典というだけでなく、国際交流、観光、経済、インフラ、ボランティア、そして医療など、あらゆる分野に影響をもたらす大規模なイベントです。こうした出来事に対し、自分なりの視点で意見を持ち、表現できるかを問われたのがこの設問です。
ちなみに、同じような出題例として「万博についてどう思うか」「オリンピックの開催の賛否」「スポーツと健康」「観光客が増えることによる地域への影響」なども見られます。
●感染症対策と国際的な視点 |
東京オリンピックは当初2020年に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの流行により翌2021年に延期され、史上初の「無観客オリンピック」として開催されました。2019年の時点では誰も予測できなかった未来でしたが、こうした国際的イベントには感染症の拡大リスクが常に伴います。
海外から多くの観光客や選手団が集まることで、感染症の「持ち込み」や「拡大」のリスクが高まります。そのため、水際対策や医療体制の強化が不可欠になります。看護や医療を志す者にとって、こうした「医療リスクにどう備えるか」という視点を持つことはとても大切です。
●試験官は何を見ているか |
このような時事的テーマでは、内容の「正解」よりも、「どう考え、どうまとめたか」が評価されます。単なる賛成・反対の主張に終始するのではなく、自分の立場や価値観を根拠にした意見形成が大切です。
特に医療職を志す受験生に求められているのは、「世の中の動きに関心を持ち、変化に対して柔軟に対応する姿勢」「大規模なイベントと自分の将来の仕事とを結びつけて考える力」などです。文章として論理が通っていること、視点が一面的ではないこともポイントです。
●医療とどう関連づけて書くか |
医療と東京オリンピックをつなげる視点としては、次のような切り口が考えられます。
さらに、2020年以降の現実を踏まえて、「大規模イベント時の医療体制の整備は今後どうあるべきか」「オリンピックで得た教訓を災害医療などに活かせるのではないか」といった未来志向の提案も評価されやすいでしょう。
●まとめ |
「2020年東京オリンピック」という出来事をきっかけに、私たちはグローバルな課題や医療現場の現実を学ぶことができました。未知の感染症により延期となった歴史的背景も含め、あらためて「医療職として自分に何ができるか」を考える良い機会だったと言えるでしょう。
小論文では、テーマそのものの知識よりも、それを自分の経験や関心とどうつなげて表現できるかが試されます。未来の医療人として、社会的な出来事にもアンテナを張り、柔軟な視点を持って試験に臨んでください。
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