2025.06.11
⁻『看護学校の入試の小論文『信頼される人間になるために必要なこと』
「信頼される人間になりたい」と願うのは誰しもが共通して抱く思いではないでしょうか。看護や医療の現場においては、信頼は単なる理想ではなく、患者さんとの関係づくりやチーム医療の土台となる重要な要素です。
この記事では、看護学校の入試で出題された「信頼される人間になるために必要なこと」というテーマについて、どのように考え、どのように書くべきかを解説していきます。
●信頼とは |
まず、「信頼」と「信用」という言葉の違いをおさえておきましょう。信用は「実績や能力などの裏づけがある評価」に基づくものであり、信頼は「人柄や姿勢などに基づく心理的なつながり」を意味します。たとえば、ある人が資格を持っていることは「信用」の一つですが、その人が誠実で親身に接してくれるならば、「信頼」を得ていると言えるでしょう。
医療の現場では、患者さんが医師や看護師に自分の不安や痛みを打ち明けることができるかどうかは、まさにこの“信頼”にかかっています。信頼は、肩書きや資格だけでは得られません。日々の言動や態度、思いやりの積み重ねによって築かれるものなのです。
●信頼される人とは |
では、信頼される人にはどのような共通点があるのでしょうか。
一つは「誠実さ」です。口先だけでなく、行動が伴っているかどうか。約束を守る、時間を守る、ミスを隠さず報告するなど、当たり前のことを当たり前に続けることが信頼の基礎になります。
また、「相手の立場に立って考えること」ができる人も信頼されやすいです。自分の価値観だけで判断するのではなく、相手の気持ちや背景に想像力を持てる人は、自然と周囲からの信頼を集めるようになります。
●試験官は何を見ているか |
看護学校の入試における小論文では、「正解」があるわけではありません。試験官が見ているのは、受験生の考えの深さや表現力、そしてその人の価値観です。「信頼される人間とは、ミスを隠さず誠実に向き合える人です」といったように、自分の経験や考えを具体的に言葉にすることが大切です。
また、論理的な構成も評価の対象となります。「信頼される人とはどんな人か」→「なぜそれが大切か」→「どうすればそうなれるか」→「医療現場でどう活かされるか」など、筋道を立てて書けるかどうかがポイントになります。
●医療とどう関連づけて書くか |
医療職において信頼は生命に関わることもあります。例えば、患者さんが「この看護師さんなら大丈夫」と思ってくれることで、治療への意欲が高まり、予後が良くなることもあります。
さらに、医療現場ではチームで動くことが基本です。医師・看護師・リハビリ職など多職種の連携の中で、「あの人は必ず報告してくれる」「無理なときは無理と言ってくれる」といった信頼が、良い医療を支えていきます。したがって、「信頼される人間になる」というテーマは、医療人にとって不可欠な視点なのです。
●まとめ |
信頼される人間になるためには、知識や技術以上に「誠実さ」「思いやり」「責任感」が求められます。看護の現場では、その一つひとつが患者さんの安心につながり、信頼という形で返ってきます。小論文では、自分自身がどのように信頼を得る人間を目指しているのか、その具体的なエピソードや心がけを交えて書くことで、読み手に強く響く文章になります。
信頼は一日で築けるものではありません。しかし、日々の小さな積み重ねの先にこそ、ゆるぎない信頼関係が生まれます。看護師として、また一人の人間として、「信頼される人間」でありたいという意識を常に持ち続けたいものです。
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