2025.06.09
『ノーマライゼーションという言葉を知っていますか?』
看護大学や看護学校の面接では、専門的な用語について質問されることがあります。そのひとつが「ノーマライゼーション」という言葉です。この言葉を知っているかどうか、どのように考えているかを通して、受験者の価値観や医療者としての姿勢が見られています。
今回は「ノーマライゼーションとは何か」「面接官はどこを見ているのか」「知らない用語を聞かれたときの対応」など、面接で役立つポイントをまとめてご紹介します。
●ノーマライゼーションとは |
「ノーマライゼーション(Normalization)」とは、障がいのある人もない人も、すべての人が当たり前に生活できる社会をめざす考え方です。1950年代に北欧の福祉政策の中で生まれた理念で、「障がいがあるから特別扱いされる」のではなく、「地域で当たり前に生活できること」が重要だとされています。
つまり、だれもが等しく、自分らしく暮らせる社会をつくるという発想です。
●面接官は何を見ているのか |
このような質問を通して面接官が見ているのは、単なる「知識の有無」ではありません。
「医療職を目指す人として、社会に対してどんな視点を持っているか」
「相手の立場に立って物事を考えられるか」
といった、考え方や人間性を見ようとしています。
言葉を知っていなかったとしても、自分なりの誠実な姿勢が伝われば、十分に評価される可能性があります。
●医療職とノーマライゼーション |
医療や看護の現場では、ノーマライゼーションの視点が欠かせません。
たとえば、障がいのある患者さんへの配慮、高齢者が地域で安心して生活できるように支援すること、多様な価値観をもつ患者さんの尊厳を守ることなど、すべてが「その人らしく生きる」ことを大切にする実践です。
助産や小児看護などでも、社会的に弱い立場にある人へのまなざしが求められるため、ノーマライゼーションの理解は医療者の基本姿勢のひとつといえるでしょう。
●知らない用語を聞かれたときは |
面接では、ときに聞き慣れない言葉を突然問われることがあります。そのときに大切なのは、知っているふりをしたり、適当に答えたりしないことです。
素直に「聞いたことはありますが、詳しく説明するのは難しいです」と伝えたうえで、「こういう意味なのかなと自分なりに考えてみます」と前向きに対応する姿勢が評価されます。
大切なのは知識よりも、誠実さと学ぼうとする姿勢です。
●まとめ |
「ノーマライゼーション」という言葉は、これからの医療・看護を考えるうえで非常に大切なキーワードです。もし用語として知らなかったとしても、「すべての人が当たり前に暮らせる社会を支えたい」という思いがあれば、その気持ちを自分の言葉で伝えることができます。
面接では、言葉の意味そのものよりも、そこに込められた価値観や姿勢が見られていることを忘れずに、誠実に向き合いましょう。
看護予備校、准看護予備校を選ぶなら京都・大阪・滋賀・兵庫から通いやすいアルファゼミナール