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2025.06.08

助産学校の入試の面接で聞かれた内容(5)『お住まいの地域の周産期医療の現状は知っていますか?』

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助産学校の入試の面接で聞かれた内容(5)

⁻『お住まいの地域の周産期医療の現状は知っていますか?』

助産師学校の面接では、出身地や地域の医療体制に関する質問がよく出されます。特に「お住まいの地域の周産期医療の現状はご存じですか?」という質問は、助産師としての地域貢献や現場への理解を問う重要なテーマです。
地元から離れて進学し、資格取得後に地元に戻って働くつもりであるなら、その地域の医療体制や課題を知っているかどうかは大きな評価ポイントになります。

今回は、この質問の意図や準備の仕方、押さえるべきポイントについてまとめました。

●この質問のねらいとは?

「地域の周産期医療の現状を知っているか?」という質問には、次のような意図が隠されています。
・あなたが本当に地元で助産師として働く意志を持っているかを確認したい
・現場を理解した上で、その課題に向き合おうとしているかを見ている
・地域医療の中で、自分の役割をどう考えているかを知りたい


つまり、単なる知識を問うというよりも、将来のビジョンや問題意識の有無を評価されているということです。

●「地域の現状」とは具体的に何か?

たとえば、出産可能な医療施設の数、ハイリスク妊婦への対応体制、母子保健支援の充実度などは地域によって大きく異なります。
都市部ではNICU(新生児集中治療室)や母体胎児集中治療管理(MFICU)が整っている一方で、地方・過疎地域では出産可能な病院がそもそも少ないという課題があります。
さらに、以下のような現状も見受けられます。
・助産院やクリニックはあっても、正常分娩のみ対応しており、合併症のある妊婦は都市部へ紹介される
・分娩を取り扱う施設が減少し、隣県まで行かなければならない
・妊娠後期に入院施設のある都市部の病院へ「里帰り出産」ならぬ「前乗り出産」が必要なケースがある

●地方・離島に見られる“周産期医療の格差”

都市部と比較すると、地方では以下のような「サービス格差」が顕著です。
・出産の選択肢が限られている(助産院・クリニックが近くにない)
・周産期医療が分断されている(産科医・助産師・小児科医の連携が難しい)
・交通インフラの問題で、通院や急変時の対応が困難
・出産後の支援(母乳育児、育児相談など)を受けられる場が少ない


こうした状況に対して、「どんな形で地域に貢献できるか」を自分なりに考え、発言できると、面接での印象は大きく変わります。

●面接対策としてどう準備するか

助産師資格取得後は地元に戻って働きたいという人も多いですが、「どこで、どのような形で働きたいか」まで考えておくと面接で強みになります。市立病院の産科、助産院、産科クリニックなど、自分の進路希望と地域医療のニーズがどうつながるかを整理しておくと良いでしょう。面接前に、自分の地元の周産期医療について以下をチェックしておくことをおすすめします。
・現在、出産できる施設(病院・助産院・クリニック)の数と場所
・妊産婦支援制度や母子保健サービスの有無
・どのような人がどこで出産しているのか(都市部への移動が必要かなど)
・「自分が助産師として戻るとしたら、どこで働きたいか」(市立病院の産科、助産院、開業を目指すなど)


具体的な例を交えて話せるようにしておくと、「この人は地元を見ている」と好印象を与えられます。

●情報収集の方法

まずは自治体のホームページや母子保健計画の公開資料を確認するのがおすすめです。また、看護師として勤務している病院の上司や地域の保健師に話を聞いてみるのも有効です。具体的なエピソードをもとに答えると、説得力が増します。

●まとめ

「地域の周産期医療の現状は知っていますか?」という質問は、単なる知識確認ではなく、地域課題を理解し、将来どう貢献していくかを見ている問いです。遠方の助産師学校に進学する場合でも、いずれ地元に戻るつもりであれば、地域の現状を自分の言葉で語れるようにしておくことが面接突破のカギになります。

日頃からニュースや自治体の広報などに目を通し、「地元の妊産婦さんたちがどんな思いで過ごしているか」に関心を持つことが、助産師としての第一歩につながるはずです。

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