2025.06.07
⁻『子宮頸がんワクチンついてあなたの考えを述べよ(800字)』
「子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)」については、ニュースやSNSなどでも耳にすることの多いトピックです。助産師を目指す学生にとっては、女性の健康を守る立場からも正しい理解と自分なりの考えを持っておきたいテーマです。
この記事では、小論文で「子宮頸がんワクチン」について問われた際に、どのような視点で考え、どう表現するとよいかをわかりやすく解説します。
●子宮頸がんについて |
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が主な原因とされており、日本では20〜30代の若年層の女性において、2番目に多いがんとも言われています。 その予防策としては、HPVワクチンの接種と、定期的な子宮頸がん検診が推奨されています。 子宮頸がんは早期に発見すれば治療が可能な病気であり、予防や早期発見のための取り組みは非常に重要です。
●ワクチンの効用と賛否 |
HPVワクチンの最大のメリットは、がんの原因となるウイルスの感染を防ぎ、子宮頸がんの発症リスクを大きく下げることができる点です。 実際に、海外では高い接種率を誇る国々で集団免疫が形成され、未接種者への感染も抑制されているという研究結果もあります。
一方で、ワクチン接種に伴う副反応のリスクがゼロではないことも事実です。 特に2013年ごろには、日本でも接種後に神経系の症状や全身の痛み、歩行困難などの訴えが相次ぎ、社会的に不安が広がったことがありました。 この影響で、しばらくの間、HPVワクチンは「積極的な接種の呼びかけ」が差し控えられていた時期もあります。
また、HPVワクチンは3回接種が必要であり、スケジュール管理が難しく、途中で中断してしまうケースもあります。
●どのように書くか |
重要なのは、「ワクチンのメリットとリスクをバランスよく理解し、自分なりの意見を述べること」です。
「賛成/反対」だけを断定的に述べるのではなく、
・どういった点に懸念があるのか
・どのような支援や対応が必要か
・助産師としての視点でどうかかわれるか
といった点まで踏み込むと、深みのある答案になります。
たとえば、
「私は、HPVワクチンの接種に賛成の立場ですが、その一方で、接種する本人や保護者が不安を抱かないよう、正しい情報をわかりやすく伝える努力が不可欠だと考えています。 助産師は、女性の健康を支える専門職として、ワクチンの効果と副反応の可能性、スケジュール管理のポイントなどを丁寧に説明し、納得のうえで接種を判断してもらえるよう支援する役割があります。」
などです。
●まとめ |
子宮頸がんワクチンは、将来的に多くの女性の命を救う可能性を持つ、大切な予防医療です。 ただし、メリットだけでなく副反応や社会的不安といった過去の事例もふまえた、冷静な理解が必要です。
助産師を目指す受験生としては、正しい知識をもとに「一人ひとりに寄り添う支援とは何か」を考え、自分なりの意見を持つことが求められます。
小論文で問われることもありますので、日頃からHPVワクチンに関する情報に目を向けておきましょう。
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