2025.06.03
⁻『あなたは待ち合わせをしています。友人が約束の時間になっても来ませんが、自分が携帯を忘れている事に気がつきました。あなたはどうしますか?』
看護大学・看護学校の入試で行われるグループ討論では、医療現場に通じる対応力や人間性、発想の柔軟さが問われるテーマが出題されます。
今回ご紹介するのは、「待ち合わせをしています。友人が来ませんが、自分が携帯を忘れていることに気づきました。あなたはどうしますか?」というお題。 一見シンプルな日常の出来事のようですが、実は災害時の行動力や現代人の通信依存まで、多くの視点が盛り込める奥深いテーマです。
この記事では、出題の意図、意見の例、討論の進め方、まとめ方について詳しく解説します。
●試験官は何を見ているか |
このテーマを通じて試験官が見ているポイントは、以下のようなものです。
・困った状況での冷静な判断力
・想像力と柔軟な対応力
・情報に頼りすぎず行動できるか
・他者との関係性を大切にする姿勢
・チームワークや対話の姿勢
看護医療職に求められるのは、マニュアル通りでは動けない状況での対応力です。 また、通信機器が使えない災害時や停電時など、非常時の想定も含まれています。
●予想される意見 |
このテーマに対して、受験生から出やすい意見をいくつか紹介します。
<気長に待つタイプ>
「待ち合わせ場所に長めにとどまり、相手が来るのを信じて待つ」
「人通りの多い場所なら、友人も探しているかもしれない」
<代替手段を探すタイプ>
「近くのお店で電話を借りる」
「駅やコンビニで公衆電話を探す」
「近くにWi-Fiが飛んでいればPCなどでSNSにログインできないか試す」
<帰る判断をするタイプ>
「安全を優先し、一度帰宅する」
「家で連絡が取れる状況になるまで待つ」
<予防策を考えるタイプ>
「日頃から集合場所・時間を明確に決めておくべき」
「携帯が使えないことを前提に、緊急時の対策を考えておく」
●どう答えるか |
討論の中では、「私は〇〇だと思います」と自分の意見を述べつつ、他者の意見にも耳を傾け、受け入れる姿勢が大切です。 また、自分の立場をただ主張するだけでなく、相手への思いやりや現実的な対応力を示すことが好印象につながります。
たとえば、
「私は、まずは待ち合わせ場所で15分ほど待ちます。 その間に、近くに公衆電話がないか探します。 最近は街中でも公衆電話が少なく、NTTによると全国の設置台数は2022年時点で約10万台、年々減少しています。 その現状を踏まえ、万が一に備えて待ち合わせ時には“連絡が取れなかったときの対応”を事前に話し合っておくことが大切だと感じました。 災害時など通信が途絶える可能性もあるため、柔軟な対応力と日ごろの備えが医療職にも必要です。」
●どうまとめるか |
この討論では、正解を出すことよりも「どう考え、どう動くか」を説明する力が求められています。
グループ討論の最後には、 「今回の討論を通じて学んだこと」 「全員の意見を踏まえた上での共通認識」 を簡潔にまとめると良いでしょう。
たとえば、
「携帯電話に頼りすぎず、臨機応変な対応ができることが大切だと気づきました。 また、医療職としても、トラブルや想定外の事態に落ち着いて対応する力が必要だと改めて感じました。」
というまとめ方が印象的です。
●まとめ |
今回のお題は、「携帯を忘れて友人と連絡が取れない」という日常の一場面から、人としての対応力、医療職としての危機対応力が見られる良いテーマです。
グループ討論では、自分の意見を押し通すのではなく、他人の考えを尊重しながら現実的な対応を模索する姿勢が求められます。 情報社会の便利さに慣れている現代だからこそ、「不便なとき、どう動くか」は重要な視点になります。
日ごろからこうしたテーマを想定して考えておくことが、入試本番での対応力につながります。 一緒に、対話力と柔軟な発想を磨いていきましょう!
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