2025.05.31
⁻(11)『災害について学んだことを今後どのように進路先で生かすか(800字・50分)』
保健師学校の入試では、小論文を通して「知識だけでなく、その人の視点や使命感、将来像」が見られています。 今回のテーマ「災害について学んだことを、今後どのように進路先で生かすか」は、保健師という職業の本質に深く関わるテーマです。
災害が多発する日本で、地域の健康を守る存在としてどう行動するか──受験生の覚悟と視点が問われています。
●出題者の意図 |
このテーマで出題者が知りたいのは、
・あなた自身がどんな災害の経験や学びをしてきたか
・その学びを将来どう地域に還元したいと思っているか
・保健師という職業への理解と自覚があるか
といったポイントです。
たとえば最近の災害としては、2024年の能登半島地震などが記憶に新しいでしょう。避難所の衛生環境、医療物資の不足、高齢者や子どものケアなど、多くの課題が報道されました。
こうした内容をきちんと理解していれば、より実感を伴った小論文が書けます。
●小論文を書く際のポイント |
◎自分の経験や学びを起点にする
「災害ボランティアに参加した」「高校で防災について学んだ」「震災の被災地に親戚がいる」など、自分の言葉で書ける原体験や学習経験を軸にします。
◎進路先ごとの役割の違いにふれる
保健師の就職先によって、災害時の関わり方には違いがあります。
・市町村の保健センター勤務: 避難所での健康管理、感染症対策、心のケアなどに関わる
・保健所勤務: 広域的な衛生管理、災害情報の集約、医療機関との連携など
・官公庁勤務: 災害対策マニュアル作成、地域防災計画、住民説明会の実施など
それぞれの場所での役割は異なりますが、「地域住民の安全と健康を守りたい」という思いは共通です。 「どこで働いても、その思いを持ち続けて行動したい」と書くと、深みが出ます。
●災害について学んだことを、どう生かしたいか |
以下のような具体的な学びを挙げた上で、それを自分の進路にどうつなげるかを考えましょう。
・避難所のトイレ環境や衛生の問題
・インフラの寸断による医療物資の遅れ
・災害時の情報弱者(高齢者、障がい者、外国人など)への支援
・避難者の心のケアや孤立防止
・災害後の健康二次被害(血圧悪化、感染症、うつなど)への対応
・復興が進まない地域での支援の継続性
そのうえで、「自分はどんな保健師になりたいか」「そのために今後どう学びたいか」を結びの段落で述べましょう。
●まとめ |
災害に強い地域づくりをめざして
災害が発生したとき、地域で最前線に立つのが保健師です。 平時の備えこそが災害時の命綱になります。
小論文では、「学んだこと」と「自分の将来像」を結びつけ、地域の人々に寄り添う覚悟と行動力をもつ人間であることを伝えましょう。
800字という制限の中でも、あなたの中にある「地域を守るために保健師をめざす」という想いを、丁寧に言葉にしてみてください。
看護予備校、准看護予備校を選ぶなら京都・大阪・滋賀・兵庫から通いやすいアルファゼミナール