2025.05.30
⁻『海外文化の移入についての賛否』
看護大学・看護学校の入試では、社会性・考える力・他者とのコミュニケーション力を見るために、グループ討論が行われることがあります。 今回取り上げるのは「海外文化の移入についての賛否」というテーマです。
少し抽象的に感じるかもしれませんが、自分の言葉で語ること、そして相手の意見を受け止めながらやり取りできるかが重要です。
今回は、実際のディスカッションでどう考え、どう発言を組み立てればよいかを考えていきましょう。
●海外文化の移入とは? |
「海外文化の移入」とは、外国からもたらされた文化・習慣・価値観などが日本に取り入れられて、社会や生活に影響を与えることを指します。
たとえば、
・食文化(ハンバーガーやパスタ、コーヒーなど)
・住生活の欧米化(フローリング、ベッド、シャワー中心の生活)
・芸術や音楽(洋画、ロック、K-POPなど)
・ファッションや生活スタイル(クリスマスやハロウィンを祝う習慣)
・教育(グローバル教育、ディスカッション中心の授業)
一方で、「移入」という言葉からは、一方的に取り入れられていることへの懸念も含まれる場合があります。
●メリットとデメリットを考える |
◎賛成派の意見として挙げられるもの:
世界の多様な文化に触れ、視野が広がる 日本にない価値観や表現に刺激を受け、創造性や感性が豊かになる
医療や教育の分野では、海外の先進的なシステムを導入できる
インバウンド観光や移民対応の点でも、多文化への理解が必要
◎反対派・慎重派の意見:
日本の伝統的な文化や行事が軽視・消滅する懸念
生活の欧米化で、自然とのつながりや家族のつながりが希薄になる
言葉遣いや礼儀の面で、乱れが起きていると感じる人も
表層的な模倣で終わってしまうこともある(例:SNSでの文化の誤用)
●試験官が見ているもの |
このような抽象的テーマの場合、試験官が見ているのは「知識の豊富さ」ではなく「考え方の柔軟性」「自分の意見を持っているか」「他者と協調して話せるか」です。 極端な賛否に偏らず、「メリットもデメリットもあるが、〇〇という観点ではこう考える」といったバランスのある意見が好まれます。
自分の経験(たとえば「私は留学生と交流して…」など)を挟めると、説得力が出ます。
他の受験生の意見に対しては、「なるほど、そういう見方もありますね」と受け止める姿勢を忘れずに。
●まとめ |
「日本らしさ」も大切にしながら グローバル化が進む中、海外文化の移入は避けられない時代に私たちは生きています。
しかし、海外文化を取り入れながらも、自国の文化を大切にする姿勢は失いたくないものです。
「いいものは積極的に取り入れる、でも日本人らしい思いやりや礼儀は守っていきたい」── そんな柔軟な姿勢が、討論の場でも評価されるでしょう。
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