2025.05.25
⁻『(ランダムに置かれたタオル・病衣・靴下・帯紐など)机の上にあるものを患者さんの家族に渡すことを考えてまとめる』
看護学校の入試というと、小論文や面接が注目されがちですが、実際には実技試験が行われることもあります。
今回は、ある看護学校で実際に行われたという実技試験「(ランダムに置かれたタオル・病衣・靴下・帯紐など)机の上にあるものを患者さんの家族に渡すことを考えてまとめる」について取り上げます。一見シンプルに思えるこの課題ですが、実は多くの評価ポイントが隠れています。
●試験のねらいとは |
このような課題に対し、単にきれいに畳む、持ち運びやすくするという技能面だけでなく、「誰に、何の目的で渡すのか」をしっかりと意識し、その相手の立場に立った配慮ができるかどうかが重要です。
実技試験といっても、求められているのは看護師としての姿勢そのものなのです。
●試験官が見ているのは |
この試験では、技術的な部分だけでなく、受験生の気づく力・思いやり・丁寧さ・配慮・判断力が試されます。
たとえば、
「洗濯物をとりに来た家族がどのような気持ちで病院を訪れているのか」
「この荷物をどう包めば、気持ちよく受け取ってもらえるか」
といった視点があるかどうかが大切です。
言葉遣いや所作もチェックされているため、
「試験中に話しかけられたら明るくハキハキと返す」
「周囲の人の動きに注意を払う」
「ものを大切に扱う」
といった日常的な行動も含めて、総合的に見られていると考えましょう。
●実技試験を受けるにあたってのポイント |
物品のたたみ方とまとめ方の工夫
・タオル:四つ折りにし、しわを伸ばしてコンパクトに。使用済みか新品かを判断し、使い分ける配慮も大切です。
・病衣:前開きのタイプなら、左右の袖を折り込んでコンパクトに畳む。できるだけしわにならないように整えましょう。
・靴下:左右を揃えて軽く丸める程度。ゴムで結ぶなどは避け、優しく形を整えるだけでOK。
・帯紐:ほどけないように軽く結び、他の物と絡まないように工夫を。
これらをまとめるときは、見た目の美しさと取り出しやすさのバランスが大切です。持ちやすいように袋に入れる、上にメモを添えるなどの気配りも評価されます。
●患者の家族への接し方がカギ |
この試験の背景には、「看護師は患者本人だけでなく、その家族にも寄り添う存在である」という考え方があります。
患者の洗濯物や持ち物を受け取りに来た家族に対し、
「○○さん、いつもありがとうございます」
「入院生活で必要なものは、きちんとまとめてあります」
「退院が近づいていますね。ご準備ありがとうございます」
といった一言の声かけや、相手の気持ちに寄り添う態度が大きなポイントになります。
試験官は、こうした看護の原点ができているかを見ています。
●まとめ |
このような実技試験では、見た目の整え方や手際の良さも評価対象ですが、もっとも大切なのは「人への思いやり」や「気配り」です。 日々の生活の中で、人に物を渡すときの配慮、話し方、気遣いを意識することで、自然とこうした課題に対応できるようになります。 また、日頃から洗濯物を畳む、荷物を丁寧にまとめる、といった生活の延長にある行為を大切にすることも、実技試験対策の一つです。
看護師として働くうえで、「手を動かす技術」と「心を動かす力」の両方が求められます。この試験は、まさにそれを問うものと言えるでしょう。
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