2025.05.17
⁻『あなたは資格を取ったらすぐこの島を出ていくのですか?(この島で働く気はありませんか?)』
『卒業後はそのまま市内で働いてくれますか?』
看護学校や看護大学の面接で、特に離島や地方の学校を受験した場合に、 「あなたは資格を取ったらすぐこの島を出ていくのですか?」「卒業後はそのまま市内で働いてくれますか?」といった質問を受けることがあります。 この問いには、ただの進路確認以上の“地域医療の課題”が隠されています。
今回は、この質問の背景にある意図や、答え方のポイントについて解説していきます。
●質問の意図 |
このような質問には、いくつかの切実な地域事情があります。
・医療職の深刻な人手不足・・・特に離島や過疎地域では、医師・看護師・助産師といった医療職が圧倒的に足りていません。
・都会への若者の流出・・・看護職に限らず、進学や就職を機に若者が都市部に流出してしまうことは、地域の大きな悩みです。
・地域医療を支える人材の確保・・・自治体や地域病院の中には、奨学金制度を設けて「卒業後○年間は地元で働いてほしい」と条件をつけるケースも多くあります。
つまり、「この島で働く気はあるのか?」という質問には、 地域の将来に対する希望や不安が込められているのです。
●どう答えるか |
地元の人の場合・・・「地域の人々に恩返しがしたい」「この町の医療に貢献したい」という気持ちを素直に伝えるのがよいでしょう。
他地域から受験している場合・・・この質問は、他県・都市部から来た受験生に対して、特によく投げかけられます。 「資格を取ったらすぐに都会に戻ってしまうのでは?」という懸念からです。
その場合の答え方としては、以下のようなポイントをおさえると良いでしょう。
・「学びを通して地域医療の課題に触れてみたい」
・「現時点では未定だが、もし地域の医療に貢献できるなら嬉しい」
・「数年間はこの地域に残って、経験を積んでから広く学びを深めたい」
・「地域医療の現場に触れて、自分が担える役割を見つけたい」
100%地元に残ると断言できなくても、誠実に気持ちを伝えることが大切です。
●まとめ |
「卒業後はこの地域で働いてくれますか?」という面接の問いには、 医療職の人手不足や若者の都市流出といった、地域社会の抱える問題が背景にあります。
受験生にとっては答えにくい質問かもしれませんが、 「地域への思い」や「自分の成長への意欲」を正直に、前向きに伝えることが、 看護職を目指す姿勢として評価されるポイントになります。 無理に理想を語らなくても大丈夫です。 “地域の人のために力になりたい”という気持ちを、少しでも言葉にして伝えることが、 面接官の心に届く一歩になります。
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