2025.05.17
⁻『ものを大切にすること(15分間)』
看護学校・看護大学のグループ討論で、「ものを大切にすること」について話し合うお題が出題された例があります。日常的でシンプルなテーマに見えますが、実は人間性や価値観が如実にあらわれる深いテーマでもあります。15分間の討論で何を話せばいいのか、どのように考えを深めていけばよいか、この記事で解説します。
●ものを大切にするとは |
「ものを大切にする」とは、単に物理的に壊さないように扱うだけでなく、感謝の気持ちや思い出を大事にすること、そして限りある資源を無駄にしないという意識を持つことでもあります。 たとえば古い家具や楽器、思い出の詰まったぬいぐるみ、学校生活で使い込んだ文房具を捨てずに長く使い続けている人もいるでしょう。また、物が壊れてしまった時にすぐに捨てるのではなく修理して使うという考え方も、「ものを大切にする」姿勢の一つです。
「物を大切にする人は、人や時間も大切にする」という言葉もあるように、丁寧な暮らし方、他者への配慮にもつながるテーマです。
●ものを大切にすることができる人とは |
「物を大切にする」習慣がある人は、感謝の気持ちや謙虚さを持っていることが多いです。 また、物を長く使うことで節約や環境への配慮にもつながり、地球の資源を守るという意識を持つことにもなります。これは「持続可能な社会」を目指す今の時代の価値観にも合っています。
看護師という職業を目指す人にとって、物や環境に対する丁寧さや気づかいは、人への接し方にも直結します。たとえば医療器具や薬剤の取り扱い一つをとっても、細やかな配慮と責任感が求められる仕事です。
●試験官は何を見ているのか |
このテーマが出題されたとき、試験官は「あなたの価値観」「人柄」「周囲と協調できるか」を見ています。 特にグループ討論では、自分の考えを押し付けすぎず、他の意見をきちんと聞いて受け止めながら、自分の考えもきちんと述べられるかがポイントになります。
一見、日常的で「誰でも話せそう」と思えるテーマですが、そこでの発言が浅かったり、個人的すぎたり、逆に理想論ばかりになりすぎても印象はよくありません。自分の経験をもとに具体的に話すと、説得力が増します。
●どう話すかのヒント |
討論では、以下のような切り口で話を展開することができます。
・身近な経験をもとにする ・・・「私は中学のときから同じ筆箱を使い続けていて、ボロボロですが愛着があって…」「祖母が使っていたミシンを今でも家で使っています」など、実際の体験を話すことで説得力が出ます。
・物を大切にすることで得た学び ・・・「物を大切にすることは、物だけでなく、それをくれた人の気持ちを大切にすることだと思いました」「壊れた物を修理して使うと、物を選ぶ目も養われました」など、学びを言語化できると良いです。
・現代的な視点 ・・・「最近では“サステナブル”“エコ”といった観点から、物を使い捨てずに長く使うことの大切さが注目されています」など、時代の流れに触れると一歩踏み込んだ内容になります。
・医療職との関連 ・・・「医療現場でも器具や資源のムダを防ぐ意識が必要です」「消耗品の取り扱いや準備一つにも丁寧さが求められると思います」
など、看護の現場に関係づけて話すと印象がよくなります。
●まとめ |
「ものを大切にすること」というテーマは、あなた自身の人となりや、周囲への配慮の心が問われるテーマです。
特別な体験を語る必要はありません。 日常の中で物を大事にしている経験や、物を通して学んだことを、素直に自分の言葉で表現することが大切です。
そして、そこから「だからこそ私は人も大切にできる看護師になりたい」といった志望動機に結びつけることができれば、討論の中でも存在感を示せるはずです。
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