2025.04.10
⁻『隣の部屋に校長先生が寝ているので、枕を交換してきてください。』
看護学校で出た「枕の交換」実技試験とは
看護学校の入試には、筆記や面接だけでなく、実技試験が課される場合があります。
その中でも、「えっ?」と思うような内容が出題されることもあるのです。
たとえば――「隣の部屋に校長先生が寝ているので、枕を交換してきてください。」
今回は、ある看護学校で実際に行われたというちょっとユニークな実技試験を取り上げながら、受験生としてどのように準備しておくべきかを考えていきましょう。
● 実技試験の目的とは? |
「枕の交換」というと、なんだか家庭科の授業のように聞こえるかもしれませんが、看護の現場では日常的に行うケアのひとつです。そしてこの試験、実は枕を取り換えること”自体が目的ではないのです。 重要なのは、「どのように接し、どのように行動するか」という受験生の姿勢。
つまりこの課題は、患者さんに接する際の基本的なマナーや気配り、観察力、コミュニケーション力を試すためのものなのです。
●試験官は何を見ているか |
この実技試験で見られているポイントは、主に以下のような点です。
・声かけができているか
たとえば「失礼いたします」「枕を交換させていただきますね」など、患者さん(校長先生)に対して丁寧に声をかけられるかはとても大事です。看護の現場では、声かけは安心感を与える重要なコミュニケーションです。
・思いやりや気配りがあるか
寝ている方を無理に起こさないようにする、動作が乱暴でないか、顔に髪がかからないように配慮する、など、優しい所作が求められます。
・巧緻性(手先の器用さ)や丁寧さ
ゆっくり、確実に枕を交換できるか。慌てず、静かに、落ち着いた動作ができるかどうかもチェックされています。
・観察力や状況把握能力
たとえば「寝ている人が不快そうにしているか」「枕の位置が高すぎる・低すぎる」など、相手の状態を観察する力も問われています。
●うまく実技をこなすためには? |
では、実際にこのような実技試験に臨むとき、どんなことに注意すればよいのでしょうか?
1.まずはノック&挨拶
部屋に入る前に「失礼します」と一言。基本のマナーです。
2.丁寧な声かけ
相手が眠っていても、小さな声で「枕を交換させていただきますね」と一言添えましょう。たとえ模擬患者が校長先生でも、ここでは“患者さん”です。
3.落ち着いた動作を心がける
枕を引っ張ったり、ガサガサと音を立てるのはNG。そっと手を添えて、頭を支えるようにして交換しましょう。
4.交換後の様子にも注意
枕の高さはちょうどよいか?苦しそうにしていないか?掛け布団が乱れていないか?最後まで気を抜かない観察力が大切です。
実際にこの試験で、 「 い き な り 無 言 で 枕 を ス バ ッ と 抜 き 取 っ た 受 験 生 が い た 」 というエピソードも校長先生から聞いたことがあります。 たとえ正確に枕が交換できたとしても、それでは減点されてしまいます。行為そのものよりも、人に寄り添う姿勢が評価されるのです。
●まとめ |
「枕を交換してきてください」というシンプルな指示の裏には、看護師として必要な心配りや技術、姿勢を見極めたいという試験官の思いが込められています。
このような実技試験に備えて、普段から「相手の立場に立って行動すること」「ていねいな所作を意識すること」「言葉を添えること」を習慣にしておきましょう。
実技試験は、筆記や面接と同じくらい、看護の本質を問われる場です。 ぜひ「人にやさしく寄り添える看護師」を目指して、一つひとつの所作を大切にしていきたいですね。
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