2025.04.07
⁻『三日後にお父さんが退職します。その日の夕食を考えてください。(25分間・6人で)』
看護学校のグループ討論では、「医療や福祉」に直接関係があるテーマだけでなく、一見すると日常的な問いかけが出されることもあります。今回紹介するお題は、「三日後にお父さんが退職します。その日の夕食を考えてください。」というもの。一見すると単純な問いのようですが、実は人柄や家族観、協調性、気配り、そして“看護の原点”が問われているような深いテーマです。
この記事では、このようなユニークなお題にどう向き合えばいいのか、討論に臨む際のヒントや心がまえを解説していきます。受験対策のひとつとして、ぜひ参考にしてください。
●質問の意図 |
一見すると、ちょっとほのぼのした印象を受けるテーマですが、看護学校のグループ討論としてはとてもよく考えられた問いです。「お父さんのためにどんな夕食を用意するか」という場面を通して、受験生が人のことを想い、寄り添い、チームで考えを深めていけるかが試されています。
このテーマには「相手の立場になって考えられるか」「家族への感謝の気持ちをもっているか」「日頃からのコミュニケーションを大切にしているか」といった、医療職に必要な視点がたくさん詰まっています。
また、「健康を配慮した献立にできるか」「豪華さだけでなくバランスや気配りも含めて考えられるか」など、食に関する知識や感性も問われているかもしれません。討論なので、ただ自分の意見を言うのではなく、他の人の考えに耳を傾け、協力し合ってより良い答えを導き出す姿勢も大切です。
●面接官は何を見ているのか |
このような日常的なテーマでは、受験生の「素の人間性」が垣間見えやすくなります。
たとえば、
「お父さんはお肉が好きなのでステーキにしたいです」
「でも健康が気になるので、サラダや低脂肪のスープも用意したい」
「感謝の気持ちをこめて手紙を添えたいです」
このように、相手の嗜好や健康状態、そして感謝の気持ちまでを含めて考えられる人は、将来患者さんの気持ちにも寄り添える人だと評価されやすいでしょう。 さらに、「その日は会社で送別会があるかもしれませんね」といった現実的な視点や、「お母さんにもおつかれさまの気持ちを込めて、私たち子どもが料理を作ります」といった配慮も、グループの中で話題を深めるきっかけになります。
●実際に面接試験に臨む際のポイント |
この手のテーマは、正解がひとつではありません。大切なのは、自分の考えを持ちつつも、他の人の意見にも共感したり、補ったりしながら、チームとして話し合いを進められるかどうかです。
話し合いの中では、
「では、そのメニューにこの一品を足してみるのはどうですか?」
「そういえば、お父さんの好物ってどんなものがあると思いますか?」
「みんなでメッセージカードを書いたら、さらに喜んでくれそうですね」
といったように、前向きなアイデアを出したり、場を和ませたりする役割もポイントになります。
とくに緊張しがちなグループ討論では、温かい雰囲気をつくる人がいると全体の印象もぐっと良くなりますよ。
●まとめ |
このテーマは、「ご飯をどうするか」だけでなく、その背後にある家族への思いやりや、チームで協力する力を見られている大切な問いです。豪華な料理のアイデアだけでなく、「どんな気持ちでその日を迎えるか」「どんな言葉を添えるか」といった心の部分まで話し合えると、素敵な討論になります。
看護師として働くうえで大切なことは、知識や技術だけではありません。患者さんの背景にある人生や、その人を支えてきた家族への想像力をもつこと。それを日常の風景のなかから、自然と考えられる人であってほしいという学校側からのメッセージが、このテーマには込められているのかもしれません。
受験生の皆さん、どうか「今日はありがとう」の一言が、どれだけ温かいものかを忘れずに、討論に臨んでくださいね。
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